文化的な構えにより環境の物理的変化を伴わずに参加者の構えを操作したときに色嗜好が変化するかなどについて検討した。例えば、日本人参加者に対して色セットを「米国で使われている色」または「日本で古来から使われている色」として呈示したときと、何も文化的な構えを与えないときとの色嗜好を比較した。参加者が各色に対して主観的に米国色らしいないしは日本伝統色らしいと感じるかを調べることにより、各色とそれぞれの文化的構えとの関連の強さを見た。その結果、色嗜好には変化が生じ、さらにその変化量は色と文化的構えとの関連の強さと正の相関があった。このことから、文化的な構えが色嗜好に影響することを明らかにできた。
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