ホモロジー代数の舞台として重要な完全圏・三角圏のクラスは定義としては互いにほぼ排他的であり、両者で定義される類似の概念が同じような性質を持つ場合であっても、別々に取り扱い、しばしば同じような議論を二度行う必要が生じていた。 本研究では、これらの二つの圏のクラスをExt1-関手の言葉で同時に扱う概念としてYann Paluと共に導入したextriangulated category を用いて、統一的なホモロジー代数の理論整備を目指している。相対ホモロジー代数、Auslander-Reiten理論といった完全圏・三角圏で知られる事柄を実際に統一的に扱うことができた。また、高次数版の定義も考察した。
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