本研究の目的は,大規模集積回路(VLSI)の超低エネルギー化を目指し,超低電圧で動作するVLSIを実現するための挑戦的基礎研究を行うことである.本研究では,スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)において,ストレス電圧を複数回印加し特性ばらつきを自己収束させる方法を提案した.SRAMにストレス電圧を印加すると,しきい値電圧Vthがもともと低いトランジスタのVthが上昇し,セルの安定性が「自己収束」する.実験の結果,情報保持エラーが発生する最低電圧を下げることに成功した.この自己収束機構により,SRAMセルを従来より低電圧で動作させることができることが明らかとなった.
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