大腸菌は糞便汚染の指標であり大腸菌群に変わる指標細菌として利用することが議論されている.現在の大腸菌数測定法は培地の作製,希釈,18時間以上の培養,陽性の判定作業など多大な労力を要する.昨年度,大腸菌簡易測定法の開発に成功した.そこで今年度は3カ所の下水処理水から10ヶ月に渡り下水処理水の大腸菌数を測定した.処理場Aと処理場Bでは,GUS活性と大腸菌数に高い正の相関がみられた.処理場Cでは相関は低かった.回帰式の関数は処理場ごとに異なった.この結果から,本法により処理場ごとにGUS活性と大腸菌数の回帰式を求めれば,それを検量線として終沈越流水中の大腸菌数を簡易に定量できることが明らかとなった.
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