デング熱はネッタイシマカ等の蚊が媒介するウイルス感染症での感染環により流行が拡大する。本研究は,次世代シークエンシング(RNAseq)を用いたゲノムワイドの比較遺伝子発現解析により,ネッタイシマカへのデングウイルス感染抑制に寄与している遺伝子群とその生物学的機能を推定した。比較遺伝子発現解析には,デングウイルスに感染している個体,ボルバキアに感染している個体,両者に感染していない個体を用いた。解析の結果,ウイルス感染に関与している69個の遺伝子が探索された。これらはセリンプロテアーゼ活性,ATP結合,匂い分子結合タンパク質などの機能に関与していることが推定された。
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