本研究では微細な変化検知への有効性が示されている可聴化アプローチに着目し,その適用可能性に関わる基礎的な検討として,交通流データの可聴化による交通状態の識別可能性を検証した.また,可聴化された音環境が人間の行動にフィードバックすることで交通空間を制御する可能性を検討するため,背景音と歩行者・自転車交通流特性の関係を分析した.その結果,被験者は交通状態を音の印象として識別し,Breakdown直前の交通流データの判別において可視化よりも可聴化の方が高い精度での判別が可能であること,歩行者・自転車ともに楽曲によって群衆での交通流特性に差異が生じることが明らかとなった.
|