本研究では、拡散方程式の時間反転プロセスを計算する手法(diffusive solution法)の開発を試みた。この手法は、組織形成シミュレーションの時間反転プロセスに応用することを目指したものであり、最終組織から、その発達途中の組織や初期状態に関する情報を得る手段の構築を目指したものである。その結果、diffusive solution法によって、ある条件下であれば、濃度プロファイルの短波長成分の増大を押さえながら、時間反転方向に計算をすることが可能になった。ただし、より高精度な解析のために、さらなる改善が求められる。
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