私は絶縁磁性体中の磁壁の消失と発生を制御し,光の偏光面状態を高速で切り替えることで,世界で初となる磁壁を使ったQスイッチレーザーを2016年に実証・発表されている。当該レーザー開発の中で,レーザーの出力される周波数(繰り返し周波数)は,100kHzを超えられず,情報処理デバイス応用には障壁がある。本件は,これまで具体の対策がなかった。そこで,着目したのが,電流による磁壁制御である。磁壁のある導体磁性体に電流を流すと,磁壁は移動する。これを絶縁磁性体に適用できれば,アレイ化技術と組み合わせて,レーザーの繰り返し周波数をMHzオーダに増大でき,社会での小型のレーザーの活躍範囲が広がると考えられる。
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