単分子接合の表面増強ラマン散乱(SERS)と電流―電圧特性(I-V)の同時計測に基づく界面構造の決定に関して特に顕著な成果を得た。アミノベンゼンチオール単分子接合における、ラマンシフトとI-Vから決定した電気的な金属―分子カップリング強度の相関図を用いる事により、SERSのみもしくはI-V計測のみでは分離できなかった状態の検出に成功した。モデルクラスターを用いた理論計算と組み合わせることによりそれぞれの状態が、ABT分子がbridgeサイトとhollowサイトに吸着している状態に対応することが分かった。以上のように分子の吸着構造を決定したSERS計測によりSERSの増強機構の解明を行った。
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