研究成果の概要 |
本研究は、シクラセン骨格を形成可能な前駆体を合成し、化学反応に代わる熱・光による温和な条件を刺激とした反応により目的となるシクラセンを達成しようとするものである。目的となるシクラセン骨格の出発原料としてノルボルナジエン骨格を選択したところ、シクラセン骨格の平面伸長構造であるブロモヘキサセン前駆体の合成に初めて成功した。しかしながら、本手法では小さな環サイズを有する前駆体を合成することは難しかったので、ノルボルナジエン-2,3,5,6-テトラジエン体による反応を試みたが、対応するシクラセン前駆体は合成できなかった。今後は多段階反応によるシクラセン骨格の合成を検討することが課題となった。
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