有機アジドの開発は合成化学に限らずケミカルバイオロジーや高分子・材料分野において重要性が増している。一方,アジドやアジド化剤は爆発性を持つものが多く,爆発性のない安全で簡便なアジド化合物合成法の開発の需要は高い。一般に有機アジドは,炭素求電子種(R+等価体)にアジ化物イオン(N3ー)を反応させる求核的な手法で合成されるが,この手法ではアリールアジドなど合成できないアジドも多い。 本研究では 求電子的アジド化剤の開発を目指して検討を行った結果、これまで例のないアジドイミダゾリニウムを用いるフェノールの一段階でアジド化する手法を開発できた。
|