研究課題
挑戦的研究(萌芽)
電子移動を利用した様々な機能性物質の開発が期待されている。本研究ではシアノ架橋錯体の金属間電子移動現象を利用して、温度、及び光により分極がスイッチする新物質を開発することを目指した。開発した物質はV字型構造を有する鉄コバルト三核錯体、{[Fe(Tp)(CN)3]2Co(dpa)2}2H2O、である。鉄コバルト三核錯体は温度変化、及び光照射によりFeCo間で電子移動を示し、磁性、及び双極子モーメントが変化することが分かった。
光化学
メモリー、センサー、波長変換材料などへの応用を目指して、極性構造を有する物質の開発が盛んに行われている。特に、分極特性をスイッチできる物質は強誘電メモリー材料や焦電センサーとして広く利用されている。本研究では電子移動に基づき磁性、及び双極子モーメントが変化する三核錯体を開発した。分子配向制御技術と組み合わせることで新しい分子デバイスへ発展できる可能性がある。