また有機ナノチューブ(ONT)が産業界であまり利用されていない理由の一つに、合成の難しさと骨格の弱さがあげられる。本研究成果と今後の研究により、より強靭なONTの合成を分子レベルで精密にかつ簡便に合成することができると期待される。また、本研究提案のHelix-to-Tube法の合成概念は一般市民などでも身近なチューブづくりに置き換えて直感的にイメージ可能であり、芸術、料理、工作、製造、建築と同様に、化学がナノメートルの世界における「ものづくり」の一つであることを明確に示すものである。これらは特に子どもの知的好奇心を強く刺激し、化学を含め様々な分野の「ものづくり」に興味を抱くきっかけとなりうる。
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