本研究では、膜透過型分子の開発と、それによるシグナル伝達誘導を目指した。将来的には、がん免疫治療のために免疫細胞を改変する技術となりうる。以下のことを明らかとした。1.クリック反応による膜貫通分子の高収率での合成法を確立した。2.二分子膜を用いた膜透過の評価系を構築し、膜貫通分子が、膜電位の有無にかかわらず、膜透過することを示した。3.間接法および直接法で、ストレプトアビジンと反応させた膜貫通分子は、細胞膜上に留まることがわかった。しかし、シグナル伝達のモデルとして設計したeDHFR-GFPの細胞膜への移行は見られなかった。このことから、膜貫通領域の分子設計を改善する必要があること分かった。
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