研究課題
挑戦的研究(萌芽)
コムギにおいてCRISPR/Cas9システムを茎頂生殖系列細胞に直接導入する手法を開発した.金粒子にCRISPR/Cas9 RNPをコートし,パーティクルガンを用いて種子胚茎頂にボンバードした.本手法により,培養を経ることなく作出された植物体は,変異を次世代に遺伝することが示された.本手法を用いてイネの緑の革命遺伝子のコムギオルソログに変異導入することに成功した.
植物分子生物学
ゲノム編集は新しい作物育種技術として注目されている.しかし,作物のゲノム編集では,一般的に外来遺伝子を染色体に一度組み込み,それを後代の交配等で分離除去する過程を経る.この過程は複雑であり,社会受容の面からは障壁となり得る.そこで,本研究ではDNAを用いないゲノム編集系を作物で開発し、外来遺伝子を染色体に組み込まないゲノム編集技術を開発することを目的とした.本研究で開発された手法により,コムギ実用品種の農業形質を改変することが可能になることが期待される.