世界的な人口増に伴い農作物の生産性向上が望まれる中で,植物の貯蔵器官の肥大性の制御機構を解明することは重要である。アブラナ科植物には,種が異なっても,類似した栄養器官が肥大する生態型が見られ,結球ではハクサイとキャベツ,茎や根の肥大ではカブ,コールラビなどがある。栄養器官が肥大しないコマツナやケールもあり,アブラナ科植物は栄養器官の肥大性機構を研究する上で優れた材料である。コールラビでの肥大制御遺伝子の同定を行うことにより、アブラナ科植物の他種や一般的な果樹,野菜の栄養器官の肥大化機構解明に向けた端緒とすることができ,遺伝学的解析の1つのモデル系として,本研究から得られる知見は有用である。
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