研究課題
挑戦的研究(萌芽)
イネ科植物いもち病菌が産生する小分子RNA(sRNA)の網羅的な解析を行った。その結果、rRNAやtRNAのプロセシングにRNAi機構が重要な役割を果たしていること、rRNAやtRNA由来のsRNAはアルゴノートに優先的に結合していること等が明らかとなった。さらに同菌にはRNAi経路に依存しないsRNAが存在することが示唆された。また、同菌は液体培地の中にsRNAを分泌しており、植物との応答にsRNAを用いている可能性が示された。
植物病理学
いもち病菌はイネに甚大な被害を及ぼす植物病原菌であるが、この菌は植物の病害抵抗性を抑止するために、蛋白質や低分子の毒素など、様々な分子を分泌している。近年、これらに加えて小分子RNAを分泌することにより、植物の遺伝子発現をコントロールして病害を発生させる病原菌の例が発見され、本菌においても同様の機構がないのか、また現在ないとしても、今後の進化の過程で獲得する可能性がないのか調査した。
