日本酒の原料となる酒米の重要な形質にデンプン溶解度がある。本研究では、イネの胚乳デンプンの溶けやすさを制御する遺伝子を同定するために、日本のイネ栽培品種を用いたGWASを行った。その結果、デンプン溶解度と第1染色体上の新奇遺伝子に非常に強い相関がある事が明らかになった。この遺伝子には2種類のハプロタイプが存在し、ハプロタイプAはバリンを指定するGTTでデンプン溶解温度が高く、ハプロタイプBはイソロイシンを指定するATTでデンプン溶解温度が有意に低くなっていた。ハプロタイプA型にB型を形質転換したところ、溶解温度が有意に低くなり、この遺伝子はデンプンの溶解性を制御する遺伝子であると結論した。
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