ポリエチレングリコール(PEG)による魚類の細胞融合法を検討した。融合細胞だけを選択できるように、核酸合成酵素の欠損を誘導するため、ウナギ由来EO細胞を5-bromodeoxyuridineに、また、マスノスケ胚細胞であるCHSE-214を8-azaguaninに耐性化させた。これらの細胞は、選択培地中で死滅せず、融合細胞だけの選別が困難であった。ほ乳類とは異なる魚類培養細胞独自の耐性機構が存在する可能性が示唆された。EO-2細胞での細胞融合条件では、PEG処理25℃、1分間と推測された。このように、薬剤選別がうまく機能するようになれば、細胞融合により魚類の新たな細胞株は作出可能と考えられた。
|