研究課題
挑戦的研究(萌芽)
鳥、ヒト由来インフルエンザAウイルスはそれぞれ、ヒト型、鳥型受容体と結合し感染する。ウイルスの宿主域を決定する仕組みの解明にはウイルスの受容体指向性の研究が必須だが、そのためには受容体指向性を解析するためのツールが必要である。本研究では、CRISPR/Cas9法により鳥型、ヒト型受容体をノックアウトしたMDCK細胞を樹立した。またこれらのノックアウト細胞におけるウイルスの増殖性を調べることで、ウイルスの受容体指向性解析に有用であることを確認した。
ウイルス学
これまでの方法では、A型インフルエンザウイルスの受容体指向性の解析には特殊な試薬や方法が必要であり、容易には実施できなかった。また生物学的活性と受容体結合性の関係も明らかにすることはできなかった。本研究で作製したシアル酸ノックアウトMDCK細胞は、A型インフルエンザウイルスの受容体指向性の解析に有用である。また、in vitroでの空気伝播するポテンシャルを保持するウイルスの研究にも有用であると考えられる。