ホホジロザメなど卵食型の繁殖様式を持つネズミザメ目や、その他の母体依存型のサメ類について、繁殖様式を解明するため子宮内構造や子宮内液の調査を実施した。その結果、現状ではホホジロザメのみが子宮ミルク様の物質を分泌し、他のネズミザメ目では見られないことが判明した。 また、子宮内環境を再現することにより、人為的にサメの胚体を育成する「人工子宮」の開発を行い、ツノザメ目魚類のヒレタカフジクジラ胎仔の4か月にわたる長期育成と、人為的な出産に、世界で初めて成功した。 今回の研究で開発した人工子宮装置は、様々な繁殖様式を持つサメ類に対して適用可能であるため、域外繁殖による希少種の保存に貢献すると期待される。
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