私達の消化管や呼吸器などを形成する上皮組織は、細胞同士が互いに緊密に連携した細胞社会を形成しており、ここでの細胞の終焉は、周囲の細胞との相互協調作用によって細胞が組織から剥離する様式によって起こります。本研究では、この細胞脱落と呼ばれる細胞終焉様式の実行の機構を明らかにすることを目的に研究を行いました。その結果、脱落する細胞が局所で断片化し、細胞外小胞と呼ばれる膜小胞を形成する過程が、速やかな脱落の実行を促進することを示しました。この成果は、細胞が終焉にあたって組織から離れる機構において、細胞膜の動態が重要な役割を果たすという新たな考えを提示しました。
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