研究課題
挑戦的研究(萌芽)
基本的な生命現象の一つである蛋白質の膜透過の力を高速原子間力顕微鏡(高速AFM)で測ることが本研究の目的である。初めに、蛋白質膜透過チャネルをナノディスクに再構成することで、膜透過反応の力学的特性を高速AFMで評価する系を構築した。測定系を構築する過程で、膜蛋白質を二方向から高速AFM観察する方法を発見し、新たな手法として査読付き学術誌に報告した。蛋白質の膜透過の力を測定するために必要な測定系と試料の準備が整ったので、今後、蛋白質の膜透過の力の測定を進める。
生物物理
蛋白質の膜透過はすべての生物における必須の生命現象であり、蛋白質の膜透過の力を測ることでその力学的特性を評価することは、蛋白質の膜透過機構の解明につながる。今回、蛋白質膜透過チャネル・ナノディスク・高速原子間力顕微鏡を用いて構築した測定系は、蛋白質の膜透過の力を測ることを可能にする。また一方で、その過程で発見した膜蛋白質を二方向から高速原子間力顕微鏡で観察する手法は、様々な膜蛋白質の構造変化の可視化に応用でき、膜蛋白質の機能の解明に寄与することが期待される。