粘液線維肉腫は症例数が少なく1例のみの実験結果であるが、組織には大量のヒアルロン酸が含まれていることを明らかにした。この疾患の病変部位が産生する粘液はムチンに由来するものではなくヒアルロン酸であることが示唆された。一方、唾液腺の粘表皮癌ではいずれもムチンの一種であるMUC1が産生されており、そのMUC1にはシアル酸を有するコア2型の糖鎖が多く含まれていることを明らかにした。組織切片を用いた解析から、これらのMUC1は悪性腫瘍部の粘液産生細胞および非粘液産生細胞に発現されており、コア2型糖鎖を合成する遺伝子であるC2GnTの発現もMUC1陽性部と一致していた。
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