本研究で研究代表者は、(1)BALB/c雄との交尾によるBALB/c雌の妊娠が、H-2ハプロタイプが同じで、ミトコンドリアゲノム由来のNADH dehydrogenase 1(ND1)とNADH dehydrogenase 2(ND2)のN末端部ペプチド(9アミノ酸残基)の1アミノ酸残基がBALB/cとは異なるNZB雄によって阻止されること、(2)ホルミル化されたものは無効であるが、脱ホルミル化された非自己のND1ペプチドとND2ペプチドへの曝露が妊娠阻止を起こすこと、(3)系統の異なる雄のND1ペプチドによる妊娠阻止はこの雄との交尾時に形成される記憶によって起こらなくなることを明らかにした。
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