成体の緊急造血と腸内細菌叢の関連を検討した。造血幹細胞移植後の造血再構築モデルで、血球減少期のG-CSFやIL-17Aの上昇に引き続き生着が得られた。一方IL-17A欠損マウスではG-CSFやIL-17Aの上昇がみられず、骨髄系前駆細胞(GMP細胞)の減少、好中球生着が遅延した。RAG-/-マウスではIL-17A産生が低下、好中球生着が遅延した一方、野生型 T細胞のadd-backにより生着は回復し、T細胞がIL-17Aの主要な産生細胞であることが示唆された。経口抗菌薬を投与し腸内殺菌によりIL-17A上昇は抑制され、好中球数生着が遅延した。成体緊急造血において腸内細菌叢が重要である。
|