通常骨組織で産生されるリン代謝ホルモンとして知られるFGF-23が、骨組織のみでなく骨髄でも交感神経シグナルを受けて産生される。骨髄血球のうち主たる産生細胞は赤芽球の可能性が高い。骨髄造血細胞でFGF-23を産生できない状態のマウスではG-CSFによる造血前駆細胞動員が非常に強く抑制される。すなわち血球産生ホルモンが神経シグナルの支配下で骨髄局所では未分化造血細胞の移動を制御している可能性を見いだした。また、骨髄細胞由来FGF-23がホルモンとして全身性に老化形質阻止の波及効果を及ぼすかどうかについては、その端緒のデータは得られているものの、確定できるところまでは至っていない。
|