血小板細胞は刺激に応じて活性化する。非活性化血小板は凝集し、活性化血小板は凝集する。血小板凝集は血小板膜糖蛋白GPIIb/IIIaの活性化構造変化に依存する。活性化とともに血小板細胞内のカルシウムイオン濃度は上昇する。GPIIb/IIIaの細胞内ドメインにはTalinなどの接着斑蛋白が結合する。細胞内ドメインの構造も細胞活性化により変化すると想定されるが細胞内ドメインは短いので、構造変化は大きくない。この小さな細胞内ドメインの構造変化が、細胞外ドメインの大きな構造変化と血小板細胞の性質変化を惹起するメカニズムは未知である。このメカニズムとして分子レバレッジ仮説を提案し、妥当性を検証する。
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