本研究では、突然死特有の「血液が固まらない」現象に着目し、その関連因子であるプロスタノイド:PNの発現変動を理解するため、その律速であった一斉定量系の構築を試みた。PNの定量では、その血中安定性が低いため、安定な尿中代謝物に着目した。尿中代謝物を精製し、適切に定量するため、逆相とイオン交換カラムによる二段階固相抽出法を適用した結果、全ての代謝物を一斉に定量できた。そこで、有用性を検証するため、PNが関連するクローン病患者の尿を解析した。その結果、既存の報告通り、PGE2の代謝物量が健常者よりも有意に多いことが示され、本手法の実用性が示唆された。今後、突然死に適用し、その分子病態の解明を目指す。
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