研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究の目的は,光学解析手法によって計測された材質の光学特性をデジタルファブリケーション技術で物理的に再現することである.物の見た目を特徴づける半透明度と光沢度の計測と再現について一定の成果が得られた.プロジェクタ・カメラシステムによって半透明度と光沢度の計測を行った.UV硬化式インクを用いたプリンタによって計測した半透明度を再現した.また,3Dプリンタの印刷パターンの変更によって光沢度が変化することを確認した.
コンピュータビジョン
デジタルファブリケーション分野では新しい質感や感触を実現するための材料開発や機器開発が主流であるが,再現を目的とする場合には,計測系も考慮することが重要である.同様に,コンピュータビジョン分野では,3D印刷における質感再現を目的とした計測手法はあまり研究されてこなかった.本研究はこれらの分野間を相互に接続するための基礎的な試みであり,得られた成果の学術的意義は大きい.本研究の延長線には,計測に基づく個人の肌の質感再現などがあり,医療器具における社会的意義も大きいと考える.