本研究では、培養神経細胞回路網において、反復刺激に伴う学習効果と多重通信機構の関係解明に取り組んできた。周知の通り、脳は学習機構を持っており、例えば運動や楽器演奏などでは、反復練習により、技術が向上する。そこで培養神経回路網においても、反復刺激に伴う学習効果より、ある一定の経路にスパイク波が集約されて通信リンクが確立され、識別率の向上が予想される。この実証に向けて、ある特定の部位に一定間隔の反復刺激を与え、スパイク波の時空間パターン解析を行った。その結果、回路網の特定の部位において、識別率の向上が観測され、知能の学習効果の基本機構が示唆された。
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