研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
本研究では,脳の情報処理過程における学習・記憶,超並列,自律分散といった原理に基づく柔軟かつ複雑な処理をハードウェアアルゴリズムとして実装することにより,高次の処理を極めてコンパクトなシステム構成で実現することを目標とした研究を行った.脳の可塑性(環境適応性)と呼ばれる機能にヒントを得,従来の延長上にない知的環境適応型新概念LSI基盤技術の構築を推進した.IoT応用を念頭に置いた各種回路設計と評価を通し,提案技術の有効性を実証した.
集積回路設計技術
情報科学技術の一層の進展に伴い,VLSIが果たす役割がより人間の生活に密着したものになっていくことは想像に難くない.本研究によって得られた成果は,人間に与えられた役割をこなす単なる道具としてではなく,人間の脳において行われるようなより高次の情報処理を可能とする次世代VLSIの実現を促すものであるとともに,限界を迎えつつあると考えられてきたVLSI設計におけるパラダイムシフトを現実のものとし,VLSI設計技術を含む次世代の科学・産業技術の重要な礎となる成果であるといえる.