研究課題/領域番号 |
17KK0019
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 九州大学 (2019-2022) 北海道大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
高橋 沙奈美 九州大学, 人間環境学研究院, 講師 (50724465)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2022
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キーワード | ロシア / ロシア正教会 / 聖人崇敬 / ディアスポラ / ニコライ二世 / ロシア世界 |
研究成果の概要 |
ロシア帝国最後の皇帝ニコライ二世は、革命以前の社会あるいは大国ロシアの象徴である。2000年にロシア正教会で「受難者」として列聖されて以来、現在に至るまでもっともポピュラーな聖人の一人でもある。しかし、そのようなニコライ二世像は、1980年代後半以降に亡命ロシア人社会から「輸入」されたものでもある。 本研究は、1920年代以降、亡命ロシア人社会において、ニコライ二世に神聖性が付与されていくプロセスについて明らかにした。そのうえで、聖人ニコライ二世の存在が、東方正教の信仰・ロシア語そして歴史的記憶を共有する「ロシア世界(ルースキー・ミール)」の中心に据えられるものであることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
宗教社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2014年にウクライナ東部におけるドンバス紛争が始まって以来、ロシアでは「ロシア世界」が重要なキーワードになっている。この概念をけん引しているのがロシア正教会であり、聖人ニコライ二世は、「ロシア世界」を大衆にわかりやすく伝える視覚的なイメージの一つとなっている。 在位中には不人気な皇帝であったニコライ二世を、信仰心に篤く、伝統的な家族を重視し、自己犠牲をいとわない聖人として描き出したのは、亡命ロシア人社会であった。本研究は、亡命社会のロシア・ナショナリズムがソ連末期の社会に引き継がれたこと、また2000年のロシアにおけるニコライ二世一家列聖が、ロシア正教会の重要な転機であったことを明らかにした。
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