国内紛争下の準民主主義国において、議会は紛争に対してどのような影響を持つのか。本研究では、特に議会での議員発言が戦闘や市民に対する暴力に与える効果を分析した。フィリピンとコロンビアを事例とし、議会での議員発言のテキスト・データを自動内容分析を用いて分類し、一定のタイプの発言の効果について計量分析を行なった。その結果、議会での和平協議についての発言が過激派反乱軍と政府との戦闘リスクを上昇させること、市民に対する暴力についての議員発言が反乱軍の暴力レベルを低下させることなどが示唆された。また、サーベイ実験の結果から、国内紛争下の暴力について、市民が議員に一定の期待を抱いていることを確認した。
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