研究課題/領域番号 |
17KK0058
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
伊藤 秀和 関西学院大学, 商学部, 教授 (30368451)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2022
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キーワード | 貨物流動 / 船舶動静 / 地域経済 / 空間経済学 / 経済地理学 / 定量分析 / 空間統計 / 国際比較 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、大規模データベースを用いた貨物流動構造と都市・地域の経済的・地理的特性、およびその時系列変化の関係性分析である。 2021年度は、(A) 引き続き世界最古の継続的な雑誌のひとつLloyd's listのデータベースを用い、船舶動静データから海上貨物輸送と都市・貿易構造の変化に関する実証計量分析と、(B) 日本の貨物純流動調査(物流センサス)を用い、地域間輸送コストと都市階層の関係性に関する実証計量分析について、大きく3つのことを行った。 (A1) コンテナ船の港湾停泊時間および海上航行時間に関するグローバル分析の論文を国際学術雑誌に投稿した。比較的大きな修正要求であったため、大幅な改訂を行い、再投稿を行った(現在は再査読中)。 (A2) 19世紀後半から20世紀前半にかけての蒸気船革命 (steam revolution)、および1970年代以降のコンテナ船導入 (containerization) が海上輸送ネットワークに与えた影響分析の論文を国際学術雑誌に投稿した。軽微な修正要求であったため、早急に再投稿を行った(現在は再査読中)。 (B1) 地域間輸送コストと都市階層、具体的には人口密度との関係性を、2000年から2010年まで(5年毎)のパネルデータ分析により明らかにした論文が、国際学術雑誌に掲載された。当該論文では、人口密度の高い地域間の方が、低い地域間の輸送コストより低いこと、さらに低い地域から高い地域への方が、反対の高い地域から低い地域への輸送コストより低いことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年3月より約1年間、フランス・パリで国際共同研究を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響、またそれに関連して所属研究機関の教職員海外派遣のガイドラインにおける渡航要件や2021年度の開講授業(通年開講科目)などの関係から、(秋学期が終了する)2022年1月末まで渡航延期を行い、併せて事業期間再延長を行った。同年2月以降、フランスにおいてワクチンパスポートの導入(現在は解除)が実施されたため、日本でのワクチン3回目接種を終えて渡航することとした。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り、2022年3月末にワクチン3回目接種を終え、(2022年度)4月から「主たる渡航先の外国機関」のあるフランス・パリへ渡航し、海外共同研究を開始した。 フランスでは感染防止のための行動制限がほとんど実施されていないため、本研究課題の「主な海外共同研究者」であるCNRSのDucruet博士、IFSTTAR(現Universite Gustave Eiffel)のGuerrero博士と集中的に議論を行い、進行中の研究論文の国際学術雑誌への掲載を目指す。
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