研究課題
本研究の目的は、大規模データベースを用いた貨物流動構造と都市・地域の経済的・地理的特性、およびその時系列変化の関係性分析である。2023年度は、地域内外の経済活動を支える貨物輸送やその結節点となる港湾と環境負荷・健康指標の関係性について、以下の2つの実証分析を行った。(1) OECDが提供するデータベースを基に、2001年から2018年にかけてOECD加盟35カ国、約5000の港湾を対象に、上記の関係性について統計的分析を行った。その結果、港湾地域は非港湾地域よりも平均的に汚染度が高く、また健康への影響は港湾地域の規模とその取扱貨物特性に応じて異なることを示した。本論文の改訂・再投稿を行い、国際学術雑誌に掲載された。(2) (上記のOECDデータには含まれない)2000年から2016年にかけて中国33の港湾都市を対象に、同じく上記の関係性について、特にクズネッツ曲線理論を用いた定量分析を行った。その結果、港湾への船舶の寄港回数とその積載重量が大気汚染に影響を与える一方、海運ネットワークの中心性と港湾取扱能力が港湾都市に経済的利益をもたらしていること、特にその関係が直線的ではないことを示した。本論文の改訂・再投稿を行った(現在は査読中)。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Science of The Total Environment
巻: 915 ページ: 170099~170099
10.1016/j.scitotenv.2024.170099