研究課題/領域番号 |
17KK0105
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
白石 貢一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (40426284)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2021
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キーワード | PEG化タンパク質 / 免疫原性 / 抗PEG抗体 |
研究実績の概要 |
1)ウリカーゼへの新たなスペーサー分子を有するPEG化 抗原性たんぱく質として分子量130k(4量体)のウリカーゼ(from Candida sp)に対して、新たなスペーサーを用いてPEG化法を行った。PEG化手法は前年度までに報告した合成手法を用いた。昨年度まで、プロピル基をスペーサーとするPEG化手法を行っていたが、本年はアセチル基、ブチル基についても同様の手法でウリカーゼをPEG修飾した。得られたPEG化ウリカーゼの同定は、1H NMR、及びHPLCを用いてPEG化数、ウリカーゼ濃度を評価した。HPLCにて、原料のウリカーゼ、過剰に加えたPEGピークがそれぞれ消失していることを確認した。その結果、ウリカーゼへのPEG修飾量は7.4-7.5本で調整されていることが分かった。 2)PEG化ウリカーゼの免疫原性 作製した3種のPEG化ウリカーゼ、及びポジティブコントロールとしてPEG-NHSによって修飾されたPEG化ウリカーゼ、及び高い抗原性を示すことが分かっているPEG-PBLAを用いて動物実験にて抗PEG抗体産生を評価した。マウス尾静脈よりそれぞれのPEG化サンプルを投与し、1週間後の血清を採取し、血清中に含まれる抗PEG抗体をELISAにて評価した。その結果、PEG-NHSによりPEG化したウリカーゼと比較して、3種のスペーサーを有するPEG化ウリカーゼは抗PEG抗体応答が抑制される傾向を示した。PEG-NHSによる修飾と、今回のPEG化による修飾は、ウリカーゼの反応点はどちらも同じアミノ基末端であるにも関わらず、PEG化ウリカーゼの免疫原性に差が現れたことは本研究で用いたスペーサーが有効に働いたことが示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度の実験計画が遅れたことによる。具体的には、特許出願における新たな合成、動物実験の実施の必要性が出たが、その計画が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
追加の合成実験として、抗原性の高いタンパク質を用いる、ならびにより疎水性の高い脂肪鎖の鎖長が長いスペーサーを用いたPEG化を行い、スペーサーの効果を検証する。一方、同じスペーサー分子を用いて、タンパク質以外の構造に関しての免疫原性抑制効果を検討する。
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