本課題は,都市乱流境界層を対象として,都市域における低頻度高リスク環境の発生機構の解明および都市乱流境界層における統計量普遍則の追求を試みたものである.応用的かつ実学的な研究が先行する日本のアカデミアに対して,本課題による国際共同研究を実施したことによって,先行研究として進んでいる植生キャノピーの知見や屋外実験における物質輸送係数推定の結果から,理論的論考よるモデリングに資する基礎的知見を得ることができた.特に人々や建物などか関連する建築環境の分野のよう応用研究が重要視されつつある分野に対して,流体力学的な基礎的知見を導入できたことの分野に対する波及効果は極めて大きなものであると考えている.
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