津波波形データの逆解析方法に関して2つの新技術を開発したことが学術的な意義である。ひとつは、逆問題を線形化して解く際に用いられる基底を、観測データに基づいて事後的に生成する新手法の構築である。これにより、津波波源の推定精度と波形予測精度が向上した。もうひとつは事後基底を用いる際に必要なグリーン関数の計算時間を極めて短時間で行うことが可能な波形合成法の開発である。これにより、事後基底に基づく高精度な津波波形の予測を短時間で行う見通しが得られた。これらは観測データに基づく高精度な津波情報の発信に資する成果である。津波被害の軽減につながることが期待され、社会的な意義は大きい。
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