ニジマスの鰓上皮抗原取込細胞は、浸漬投与されたワクチン抗原を盛んに取り込むことから、浸漬ワクチンの有効性の理論的根拠となる細胞集団である。本研究ではGAS細胞を起点とする魚類の鰓粘膜免疫応答の誘導機序に迫ることを目的とした。GAS細胞は細胞室内に酸性フォスファターゼやリソソームを有する細胞であり、細菌抗原の取T細胞の供刺激分子であるCD80などの遺伝子が発現上昇しており、抗原を取り込んだGAS細胞とリンパ球共培養すると培養24時間後にはGATA3遺伝子の発現上昇が確認された。以上のことから、GAS細胞は抗原の分解および抗原提示を行うことができ、鰓粘膜免疫応答の起点となることが示唆された。
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