本研究は、MIFE法と呼ばれる非侵襲的な電気生理解析技術を適用し、イネのNa+やK+の輸送・分配に関与する量的形質遺伝子座の責任遺伝子同定の加速を試みる目的で実施された。初年度は、予定通り長期渡航が実現し、日本から持ち込んだ種々のイネ系統を利用しながら、MIFE法の測定技術を取得することができた。しかしながら、次年度以降、新型コロナの影響により渡航や現地での実験が困難となった。主たる研究目標はとん挫したが、初年度の材料をもとに耐塩性に関する共同研究を進めた。当研究室で注目するイネのいくつかの遺伝子が、実際に根の表層のNa+輸送に直接関与している新規の証拠を、MIFE法を用いて得ることができた。
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