本研究は、米州開発銀行(Inter-American Development Bank: IDB)、アフリカ開発銀行(African Development Bank: AfDB)、アジア開発銀行(Asian Development Bank: ADB)、欧州復興開発銀行(European Bank for Reconstruction and Development: EBRD)の4大地域開発銀行を対象として、域内における武力紛争への取り組みを比較、分析しようとするものである。コロナ禍による渡航制限のために、予定していた最終年度の現地調査は延長されても果たすことができなかった。しかし研究自体は既にかなりの程度まで進展しており、さらに文献調査や遠隔での聞き取り調査により研究を国内においても一定程度ではあるが進めることはできた。全体としての研究成果としては、昨年度に国際政治学の理論をもとにして、アジア地域の開発を今日問題となっている安全保障との関連において分析した論考を査読付き英文ジャーナルの特集号に発表することができた(本科研による支援について明示した)。ただ本研究の総括となるアジア開発銀行、アフリカ開発銀行、米州開発銀行、欧州復興開発銀行の4つの地域開発銀行全ての比較についての論考は執筆中であるが、研究期間内に公刊には至らなかった。
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