北東アジアでは、異なった「歴史」の記憶と、その集合的記憶への固執が、今なお融和を妨げている。これを解決するためには、第1に、過去の「事実」自体を可能な限り合理的な手続きに基づいて復元する必要があることは勿論であるが、第2に、集合的記憶が時間軸の中で生成・継承され、ある社会集団の正統なる「歴史」として認知されていくプロセス自体について、実証的、ならびに理論的解明が求められている。本研究は、北東アジア各地域における集合的記憶=「歴史」がいかに生成・継承されてきたのかを、人文諸学の協力による学際的共同研究に基づき総合的に考察する。
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