研究課題
平成18年度は研究計画書に基づき、尿路上皮癌・前立腺癌・腎癌の3種の泌尿器科癌を対象に研究を遂行した。1)尿路上皮癌:尿路上皮癌の腫瘍検体を用いcDNAマイクロアレイ解析およびプロテオーム解析を行った。網羅的解析の情報をもとにより精度の高いBioinformaticsの手法を開発した(Matsui S, Biginformatics.2007)。また、p53およびその下流遺伝子に関する情報をもとにCDDP耐性機序の解析も行い、galectin7の意義やp21標的治療の可能性を明らかにした(Matsui Y, Cancer Res.2007、Watanabe J, Oncogene 2006)。2)前立腺癌:ヒト前立腺癌検体による組織マイクロアレイを用いてThymidylate synthaseが新たな前立腺癌の診断・治療標的分子となる可能性を明らかにした(Inoue T.BJU Int.2006)。また、前立腺癌ホルモン不応性獲得機序の解明に関する研究からPKC/mTOR/S6K経路の活性が前立腺癌の細胞増殖に重要であり、本経路が新たな治療標的となりうることを明らかにした。(Inoue T.Mol Endocrinol.2006)3)腎細胞癌:腎細胞癌の発症進展における患者遺伝情報に関する研究を通して、MMP-9R279Q遺伝子多型が腎細胞癌悪性度に関与することが示唆された(Awakura Y.Cancer Lett.2006)。また、腫瘍マーカーの探索にむけて、血清を用いたショットガンプロテオーム解析を行い、担癌患者でのみ同定される5種類の候補蛋白質を抽出した。候補蛋白質に対するポリクローナル抗体を作製し、免疫組織染色・血清ELISAにてRCCのバイオマーカーとしての有用性を検討中である。
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Bioinformatics
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