研究課題/領域番号 |
18252006
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤本 隆宏 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90229047)
|
研究分担者 |
下川 浩一 東海学園大学, 経営学研究科, 教授 (70061075)
関 満博 一橋大学, 商学研究科, 教授 (90216523)
新宅 純二郎 東京大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (00216219)
李 春利 愛知大学, 経済学部, 教授 (20301624)
椙山 泰生 京都大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (70323467)
|
キーワード | 動態的組織能力 / 製品アーキテクチャ / インテグラル型アーキテクチャ / モジュラー型アーキテクチャ |
研究概要 |
本研究では、動態的組織能力論とアーキテクチャ論を2本柱として、アジアの製造業を立体的・多面的・動態的に把握するための分析枠組構築と、それに基づく実証分析結果を提示することを目的としている。中国に加え、インド、ベトナム、タイ、台湾、韓国など周辺諸国における調査を増やした結果、対象地域の概要はほぼ把握できたため、平成18年度より、自動車に関してより詳細な質問票を用いて日本、中国、韓国、台湾、インド、タイの組立工場約30工場を訪問し、データベースを構築する実態調査を始めた。それぞれの組立工場における組立工数の詳細、および組立工数に影響を与える諸変数(製品の複雑性、自動化率、内製率など)、生産リードタイムおよびこれに影響を与える諸変数(各工程におけるボディの流れ、バッファーの数等)、それらの機能、さらには品質、賃金、離職率など、生産管理全般に関する情報を収集した。18年度中に中国、韓国、台湾、日本、タイ等でのデータ収集を終え、引き続きインドなど、残された調査対象地域での調査を実行する予定である。18年度末の段階で、30以上の工場に関するデータの収集とデータベース化が完了しつつある。 電機・電子産業については、アジア地域内の分業構造について主として2分野について調査を進めた。第一は国別の企業間分業で、液晶テレビについて、韓国、台湾、中国を調査した。その結果、インテグラル型の液晶材料・設備に強みをもつ日本、設備投資型のパネルは韓国、台湾、モジュラー型組立のテレビは中国という分業が進展している実態を明らかにした。第二の調査はハードディスクドライブで、この関連工場があるシンガポール、タイ、フィリピン、中国を調査した。その結果、量産立ち上げと量産、あるいは労働集約的部品加工と設備集約的部品生産など、企業内で工場が分散配置されており、またそれが日系企業と米系企業で若干異なることが分かった。
|