研究課題/領域番号 |
18252006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤本 隆宏 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90229047)
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研究分担者 |
下川 浩一 東海学園大学, 経営学研究科, 教授 (70061075)
関 満博 一橋大学, 商学研究科, 教授 (90216523)
新宅 純二郎 東京大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (00216219)
李 春利 愛知大学, 経済学部, 教授 (20301624)
椙山 泰生 京都大学, 経済学研究科, 准教授 (70323467)
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キーワード | アーキテクチャ / 産業競争力 / 自動車産業 / 電子産業 / 技術移転 / 国際分業 |
研究概要 |
自動車に関しては、日本、中国、韓国、台湾、インド、タイの組立工場約30工場の一次データ収集を完了し、データベースをほぼ整備することができた。また、基本的な統計分析の結果も出てきた。例えば組立生産性に関しては、中国にある日系企業の自動車工場の生産性(溶接・塗装・組立の台あたり修正済み工数)は、日本を1とするなら、中国は2倍以上(大きいほど生産性は悪い)、インドは3倍以上であり、賃金差や輸送費、品質差などを勘案した場合、これらの国の自動車企業の輸出競争力は、依然、限定的である。さらに、中国民族系自動車企業は、エンジンやエンジン・マネジメントシステム(EMS;エンジンと車体の機能的インターフェース)を外国設計、たとえば三菱自動車設計エンジンの購入、欧州設計会社に事実上設計委託したエンジン、欧米部品企業のEMSに依存したモジュラー型設計であるが、その商品力、環境規制・安全規制対応力には限界があることが分かってきている。今後、アーキテクチャ、組織能力、商品力の外資系・民族系の国際比較をさらに深める予定である。 一方、家電・エレクトロニクス産業に関しては、ケーススタディを中心に、アーキテクチャのダイナミックスにより詳細に立ち入った研究を深めた。具体的には、液晶パネル産業や半導体産業について、日本、台湾、韓国、中国において、材料や生産設備、中間製品、完成品の開発・生産でどのような分業ネットワークが形成されているか、また、どのようなメカニズムで日本など先進国から新興国企業に技術が移転して行ったかについて調査した。その結果、モジュラー型アーキテクチャの転換、製品システムの中でモジュラー型の部品、モジュラー型の製造装置の登場が、技術移転を加速化し、現在の分業形態に大きな影響を与えていることが分かった。
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