研究課題/領域番号 |
18300206
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
小沢 博 東京理科大学, 理工学部, 教授 (20096697)
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研究分担者 |
矢崎 弥 東京理科大学, 理学部, 助教授 (70211612)
竹田 隆一 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (30171656)
上原 吉朗 國學院大學, 文学部, 助教授 (80193837)
BENNETT Alexanderf 帝京大学, 文学部, 講師 (40353445)
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キーワード | 剣道審判法 / 国際化 / 審判資格制度 / 海外調査 |
研究概要 |
本年度は、世界各国で開催された審判講習会、世界選手権を含む試合のビデオ映像の収集と解析現審判方法の問題点について海外の剣士がどのように認識しているかといった予備調査を15カ国において実施した。予備調査は質問紙によるもの15カ国285人、インタビューによるもの7カ国25人に実施した。 ビデオの分析結果からは、有効打突や反則の不明確さなどから、個々の審判の判断基準に差違が生じている現状が明確となった。質問紙の集計結果からは、大半の海外剣士が剣道における試合の重要性を認め、同時に単なる勝敗を競うだけにとどまらない剣道の精神性を試合に具現しつつ剣道の国際的理解を発展させるためには、試合における審判の改善が不可欠であると考えている。特に、今後の国際的普及および剣道の発展は審判にこそ責任があると指摘しているものが、9割となっている。にもかかわらず、海外剣士が自身の試合や自身の審判での誤審経験率がそれぞれ7割にも達している現実があり、その原因として、審判員養成の無策と審判方法の不明確さがあげられた。審判員養成に関しては、教材の不足、講習会参加機会の不足、審判機会の不足を剣士の7割以上が指摘している。また、審判資格制度の確立も6割の剣士が求めていた。審判方法に関しては、他競技で採用されているビデオやフェンシングの電気システムの活用などについて否定的であり、抗議や疑義を認めるべきでないとの意見が多くを占めたが、反則に関しては選手に明確に説明されるべきであるとの意見が7割近くとなっている。 審判方法を含めた審判の改善に、日本のリーダーシップを望む声が多く聞かれたが、各国の剣道事情は多様であり、国による差が大きいため、単に上意下達で審判能力養成を海外にあてがうのではなく、それぞれの現地事情を具体的に把握し、海外からの養成を真摯に受け止めることが必要である。
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