研究分担者 |
坂本 孝治郎 学習院大学, 法学部, 教授 (50137890)
待鳥 聡史 京都大学, 法学研究科, 教授 (40283709)
飯尾 潤 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (90241926)
村井 良太 駒澤大学, 法学部, 准教授 (70365534)
川人 貞史 東北大学, 法学研究科, 教授 (10133688)
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研究概要 |
本研究の目的は,日本を含む議会制民主主義諸国のデータを体系的に収集・整理し,日本の国会および議院内閣制を歴史的・比較政治学的視座にもとづいて理論的・実証的に分析することである. (1)国会事務局関係者と月例研究会を開き,事前承認などの立法手続き,また2007年参議院選挙による衆参ねじれ状況における両院協議会や衆議院による再議決,問責決議について情報収集・意見交換を行った. (2)世界の議会制民主主義諸国の議会制度や日本の国会に関する保存史料整理を進めた.とくに憲政資料館所蔵の衆議院事務局秘書課関係資料および衆議院事務局保有の警務関係資料の整理を進め,それらの分析に着手した. (3)研究代表者は二院制の論点整理を試み,第二院と行政権の間に「信任関係」を制度化する方策を検討し,二院制の存在理由に新たな視点を提示した「二院制と行政権」と題する論文を報告した(平成19年6月9-10日,東北大学,日本公共政策学会).また研究分担者の竹中も日本選挙学会の年次大会(平成19年5月19-20日於神戸大学)において,「参議院『封じ込め』」と題する報告を行い,二院制に関する議論を展開した. (4)研究代表者は日本比較政治学会の年次大会(平成19年6月23-24日於同志社大学)において,代議制民主主義が確立する歴史的過程における公選勢力と世襲勢力の相克を比較政治史的に検証する「君主制と政党政治:比較政治史的検証」と題する分科会を企画し,研究分担者の村井が「元老西園寺公望と日本政党政治」と題する報告を行った. (5)研究代表者は海外研究協力者のチャールズ・シパン(ミシガン大学政治学部教授)を招いた研究会を開催し(平成19年10月8日於慶應義塾大学),The Mechanisms of Policy Diffusionと題した,アメリカにおける自治体の禁煙条例採択がいかなる要因によって促進・抑制されるのかという報告を通じて,政策伝播に関する情報収集・意見交換を行った. (6)研究代表者は,議題設定と政策的帰結に関する空間モデルや米国政治における議会制民主主義に関する研究動向や,首相の議会内外の権力基盤が首相在任期間に及ぼす作用を検証した論文を公刊し,また研究分担者の飯尾は日本の政治体制を分析した書籍,待鳥は地方自治体における二元代表制を分析した書籍を出版した.
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