研究課題
基盤研究(B)
申請者は、VEGFの分子作用機序の解明を目標に、ヘビ毒腺に発現する毒型VEGF (VEGF-F) に焦点を当て、生化学的および生物学的な解析を行った。その結果、毒ヘビに発現する毒型VEGFは機能的に重要な領域の構造 (受容体結合ループおよびC末端領域) を多様化させることで、その機能を多様化していることを明らかにした。次に、vamminをはじめとする異なるリガンド特性を持つVEGFを用いた超微形態学的解析より、VEGFの血管透過性の亢進に伴う血管壁の超微構造変化 (VVOおよびfenestrae形成) は、リガンドの受容体選択性によって異なることを示した。さらに、種々のヘビ毒よりVEGFとは異なる新しいVEGF受容体結合タンパク質、KDR-bp (Lys49-PLA2) を同定した。VEGFの血管透過性亢進作用は癌性浮腫や腹水、炎症細胞・癌細胞浸潤の原因となることから、本研究の成果は、それら病態機序の解明および分子治療に貢献することと期待している。さらに、KDR-bpの発見はKDRの新たな機能探索ならびにVEGFおよびVEGF受容体分子標的物質の開発研究において有用なツールとなると考える。
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