研究課題/領域番号 |
18390320
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
三辺 義雄 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60181947)
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研究分担者 |
関根 吉統 浜松医科大学, 医学部, 助手 (70324358)
杉原 玄一 浜松医科大学, 医学部, 助手 (70402261)
松崎 秀夫 大阪大学, 子どものこころの分子統御機構研究センター, 特任助教授 (00334970)
竹林 淳和 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (50397428)
中村 和彦 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80263911)
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キーワード | 神経細胞新生 / ドパミン / 統合失調症 / 陰性症状 / 認知機能 |
研究概要 |
動物実験 成体脳での神経新生におけるドパミン神経伝達の関与を明らかにする目的で、ドパミンD1およびD2受容体の選択的作動薬および遮断薬を用い、それぞれの薬物が神経新生に与える影響を検討した。【方法】成熟ラットに、ドパミンD1受容体作動薬SKF-82958、D2受容体作動薬Quinpirole、D1受容体遮断薬SCH23390、D2受容体拮抗薬Haloperidol、対照として生食を用いた。急性投与実験では、細胞新生の指標となるプロモデオキシウリジン(BrdU)を腹腔内に投与し、5分後に各薬物を腹腔内投与した。慢性投与実験では、動物に各薬物を腹腔内に14日間連続投与した後、BrdUを腹腔内投与した。その後、脳を灌流固定して採取し、連続環状断切片にして抗BrdU抗体による免疫染色を行い、側脳室下帯(SVZ)と海馬歯状回顆粒細胞層(SGZ)におけるBrdU陽性細胞数を計測した。【結果】神経新生は、急性投与では、SVZにおいていずれの薬物も有意な変化を示さなかったが、SGZにおいてSKF82958投与で有意に増加した。慢性投与では、SVZにおいてSKF82958で有意に増加し、SCH23390で有意に減少したが、SGZではいずれの薬物も有意な変化を示さなかった。 臨床試験 統合失調症の陰性症状、認知機能障害対するD1/D2受容体作動薬の効果を二重盲検比較試験で検討した。【方法】統合失調症患者25名を無作為に2群に分け、13名にD1/D2受容体作動薬(ペルゴリド群)、12名にはプラセボ(プラセボ群)を8週間投与した。【結果】試験薬の投与前後における陰性症状および認知機能の変化について、2群間で有意な差は見られなかった。しかしながら、ペルゴリド群の中で、5名については陰性症状の改善が見られており、今後、さらなる検討が必要と考えられた。
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